改修対象住宅の建設時の法制度について
改修の対象となる住宅は、その建設年次によって、そのときの法制度や、当時の一般的な工法によってことなる性能を持っています。
fig-1は、法制度の変遷を示しています。
下段に記載された工法は、北海道の例で全国の地域によって内容は異なりますが、改修工法を検討する時の重要なポイントとなります。
住宅性のうちで最も重要なものは、「耐震性能」と「断熱性能」ですが、建築基準法の改正や告示によって大きな変更が行われてきました。
◎ 耐震性能について
1981年6月(昭和56年)の新耐震基準が重要。
これ以前の住宅は、耐震性能が極めて低く、改修によって向上させることは必須条件となります。
この後の住宅は、壁量が強化され、柱・筋交いと横架材との間に金物を使うように改正されました。
さらに2000年(平成12年)基準法が大幅に改正され、規制も強化されました。
◎ 断熱性能について
1980年(昭和55年)の省エネ法で断熱材使用が初めて全国的に義務づけられ、
1992年(平成4年)新省エネ基準、
1999年(平成11年)次世代省エネ基準
と強化されてきていますが、断熱材が施工されていても、その性能が発揮されていない住宅がほとんどで、在来木造住宅では法制度よりも実態に注意する必要があります。
また、これらの実態は、金融公庫住宅であるか、もポイントとなります。
公庫仕様書と、その割り増し融資の有無によって施工が異なる仕様で行われていることが多い。
引用:
新住協 技術情報
「在来木造住宅の断熱・耐震改修」より