断熱の厚手化と、冷房負荷
3月11日の東日本大震災は、原子力発電所に大きな被害をもたらし、唯一の被爆国である日本に又、放射能汚染の恐怖とこれから何十年もの間、放射性物質との付き合いを余儀なくさせられています。一方で災害が起きる度に、住宅の耐震強化への道は進んできました、
電力不足が招いた輪番停電、関東に住む我々には、エネルギーという言葉の意味を再確認し、この事態への対処を如何にするかは大きな問題として投げ掛けられました。エネルギーという言葉、現在社会はお金さえ払えばスイッチを入れれば電気はつき、料理はするし暖かくも 冷たくもしてくれ、垂れ流しても誰にも文句言われる事がなく、常にすぐ隣でいつもどんな量でも供給できる体制でした。原子力発電所の爆発事故、メルトダウンは便利な世の中への忠告ともとれます。住宅の省エネルギー化を今度の災害ほど必要としたことはなかったと思います。省エネルギー化は、断熱材の厚手化と窓性能の強化を施す事になり、高断熱高気密住宅の必要性は必須事項になります。しかし、夏の冷房負荷は断熱を厚手化すればするほど大きくなるとの試算もあり、問題になっています。群馬県高崎市にある弊社は昨年春、無断熱事務所から、壁200ミリ 天井400ミリの高断熱事務所へと生まれ変わりました。今年の夏は 東、南、西面の窓に簾や葦簀をかけその上に、へちま、朝顔、ゴーヤなどの緑を貼り徹底した遮蔽をしました、これに夜間の換気通風を加えたいのですが事務所であり警備の関係もありかないませんでしたが、負荷は昨年夏よりも35%近く小さくなり大きな成果を上げました。何年間もの間繰り返された断熱化と冷房負荷の関係は、シュミレーションと実態のギャップを埋めて戴きより良き方向への結論を急いでほしいと思います。