ここ数年の度重なる法改正は、住宅産業界には大きな衝撃でありました。
住宅をお客様から請け負わせて戴き、お客様の満足いく住宅を造り、
お引き渡しをする事は工務店にとって最低の使命であります。
住宅とはそこに住まわれるお客様のお城であり、
一日の疲れを癒す場所であります。
お客様にとっては一生に一度の高価な買い物でもあり、
間違えたら後戻りができません。
ならばどんな住宅を造らせて戴ければ良いのでしょうか。
このところお客様にとって沢山の選択要素があり、それぞれ切り口も異なり、多様な知識が必要になっております。
3年半前突然襲った東日本大震災、大きな津波に襲われた東北地方の映像は今でも目に焼き付いております。
震度7という大きな地震、残念な事にそのあとの津波があまりにも大きな被害を与えたため、揺れによる建物被害の本当の所は解らない現状です。
関東地方で発生した地盤の液状化、被害は想像以上に大きかったと思います。
それにここ数年来、各地で発生しているゲリラ豪雨、大雪など、環境変化がもたらしたと考えられる異常気象、これらもこれからの住宅を考えるうえで、大きな要素になります。
2020年現行の省エネ基準は義務化になりますが、暮らしていく上での省エネ対策は大変重要な要素になると思います。
車に燃費性能があり現在車を購入する際は、決定の大きな条件になっております。
1リットルで何キロ、この車は走れるかは大きな要素であります。
住宅はどうでしょうか。
車の燃費性能に変わる指標はというと、熱損失係数があります。
これは自住宅、内外に温度差が1度あったとき、単位時間、単位床面積当たりで移動する熱量を差示します。
この数字に床面積と必要温度差をかけるとこの住宅の熱負荷が計算されます。
車の燃費性能は数字が大きい程性能が良いのですが、住宅の熱損失係数では数字が小さい程性能が良いという事になります。
一方最近マスコミを賑わした空き家が非常に多いという問題。
ここにもこれからの住宅を考えるうえで大きな要素になりそうです。
少子高齢化、現実社会の中です。
核家族化と東京を中心とした一極集中型社会、これらは空き家増加や農村部の過疎化の要因であります。
長期優良住宅化が叫ばれて5,6年が経ちましたが新築住宅の長期優良化比率は大きなカーブを描いて上がろうとはしていません。
住宅を世襲し、多世代に渡って同居をする家族構成をもう一度考えてみる必要もあると思います。
これからの住宅は、健康に過ごせる要素と自然にとって負荷を与えることが少なく、住宅自体の消費エネルギー負荷が少ない、多世代家族が同居できる住宅という事でしょうか。