建築研究所理事長 坂本雄三氏へインタビュー


住宅の断熱気密性能を向上させる施策が進むなか、
コスト増を施主に受け入れてもらうポイントは、
「豊かさの実感」と建築研究所理事長 坂本雄三氏は言う。

人は、利便性・快適性を認めた時に始めて、
それを手に入れるために対価を払う。

2020年までに義務化される予定の省エネルギー基準(Q値2.7程度)で、
果たしてユーザーは、豊かさを実感できるレベルだろうか?

住まい手は、高断熱というと「とても暖かい」というイメージを持っているものである。この期待に応えられるのか疑問である。

例えば、首都圏ならQ値1.5以下、北関東ではQ値1.3程度の水準は必要であろう。
もし、「期待したほど暖かくない」となれば、高断熱・高気密住宅は割高という悪いイメージしか残らない。

義務化の水準にこだわらず、快適性、豊かさを実感できるレベルを達成できることこそ、
住宅の断熱気密性能の向上にとって重要なポイントであろう。