群馬の北部に、雪深く冬の厳しい地域があり、
今から三年前に連絡をいただき、現地の視察を行いました。
ご依頼は、「冬になると天井から結露水が垂れて困る」とのことでしたので、
視察は天井裏と床下と普段では見えないところを中心に行い、
断熱と気密、並びに耐震の必要性となぜ断熱気密が結露防止になり、
改修の結果がもたらす省エネや楽になる生活のお話させて戴きました。
断熱部位は、
基礎と壁、天井で、特に壁は高性能グラスウール16K200ミリの計画で、
サッシは樹脂のガス入りLOWEペアに取り換えさせて戴きました。
今年の夏、改修戴いた住宅を訪問した時に、
お客様から今回の改修工事は大成功であり、
自分たちの期待していた以上の結果があり、
大満足であるとの答えがありました。
どういう事でしょう?
お客様のご主人からはまず、
改修後の住宅での薪ストーブの薪の使用量が、
改修前とでは「半分近くに減った」という事。
それに改修後の住宅内では、暖房している部屋と暖房していない部屋の温度差が小さくなり、
入浴後北側の浴室から、薪ストーブのあるリビングまで走ってこないと寒くて仕方なかったのが、
今では「洋服を着なくても寒さを感じず、ゆっくりできて大変満足である」との感想でした。
また高崎では、寒がりで暑がりな奥様、
何度もお会いを致しましたが寒がりで脚が冷えて、
冬には湯たんぽや電気毛布が手放せないとの事でした。
床暖房の要請がありましたが、
きちんと断熱が効いた後の温度状態の説明後、
床断熱で改修後やはり大満足の様子で、
今まで沢山の住宅会社を訪問されたそうですが、
とにかく今回の改修工事には満足がいったようです。
冬の朝、室温は17.8度あり、トイレや寝室、その他の部屋の温度差がなく、
エネルギーの使用量も今までより少なく、温度は何処へ行っても一定であり、
「魔法の家」に住んでいる様だとの声でした。
夏はと言うと、
心がけているのは夜間通風と昼間の徹底した「日射遮蔽」でやはり満足との声でした。
現在の雨戸は昔のそれと違い、
通風と遮蔽に適した物がようやく開発され市場に出てきました。
雨戸にカギをかけられ、その雨戸はルーバーになり、
通風には最適の条件が整った雨戸、防犯と雨におびえる事なく窓を開けて眠れるようです。
明け方には窓は閉められ十分に冷やされた室内は、
断熱材の力で外の温度が急激に上昇しても室内の温度は上がらす、
尋ねる人はエアコンがよく効いているのと間違える程です。
「新住協」には全国に700社もの会員がおり、
断熱・耐震同時改修は長期優良住宅の先導的事業として、
国土交通省から補助金を戴き、改修をされたお客様にお返しをしてまいりました。
この際、気密試験が義務化され、
技術の高さは、報告の数字を見てもよく解ります。
断熱改修では、気密工事が複雑に絡んだ壁や床、天井との取り合いで難しく、
断熱化の生命線である気密化は、これから改修された住宅で暮らすお施主様への保険であります。
改修へのニーズは非常に大きく、
浴室やトイレ、キッチンなどの水回りの交換や長年使用した床板の交換、外壁の塗り替えなどが、
そのほとんどですが、よく考えてみると耐震の性能や断熱の改修は、
自分たちが普段使用したり目にしている場所を改めるのではなく、
床下や小屋裏、壁の中と普段は生活に関係ないところをまず考えて戴くわけです。
困ったことを改修するのは当然ですが、
生活感が変わるほどおおきな衝撃を与える「断熱改修」を、
水周りとともに考えて戴く事を是非お勧め致します。